位相差顕微鏡とは?
【位相差顕微鏡】
一般の明視野顕微鏡では、アメーバや白血球、ワムシ、細菌、ツリガネムシ等、体の透き通った生物を観察するときに、光が通り抜けてぼやけてしまい、輪郭がはっきりしません。しかし、位相差顕微鏡を使うとクッキリ、ハッキリ見えるのです。そのわけは、明視野照明法の欠点である、絞ると回析光でよく見えなくなる問題を除去して、生体をクッキリ見させる方法です。
【位相差観察の原理】
ガラスは水より屈折率が大きい。水とガラスを同じ厚さにして光を通すと、屈折率の差からガラスを通過した光の波の方がずれていく。これを位相差といいます。つまり光がある物質を通過するとき、まっすぐに通過する直接光と屈折して出てくる回析光とに別れ、回析光の光波は時間が遅れて出てくるために、光路差(位相差)が生じます。これを光の強度差、すなわち明暗のコントラストに変えて、生の標本を無染色のまま観察できる仕組みになっています。
【ブライトコントラストとダークコントラスト】

位相差レンズには、黒っぽく見えるダークコントラストと白く見えるブライトコントラストの2種類があります。イポナコロジーのオデオシリーズ用60倍対物レンズは、ブライトコントラストレンズとダークコントラストレンズの2種類が用意されています。

ソマチッド(バクテリア)を観察するときは、水と細菌の間、または細菌内に位相差があれば無色透明な細菌の構造や動きを、分解の能力が劣化せずに観察できるのです。細菌類(およびソマチッド)を観察するにはブライトのレンズの方が人間の目には合っていて見やすいとされています。たとえば、某メーカーの乳酸菌飲料を観察した場合、明視野観察ではほとんど映りませんが、ブライトレンズでの位相差ではクッキリハッキリします。また、ソマチッドを観察する時、60倍のブライトレンズで見ると、14インチのテレビモニター上に5400倍の倍率となって現れ、検体が非常にハッキリと映し出されます。ソマチッドの変化のある動きがじっくり観察できます。

【単機能の潔さ】
イポナの位相差顕微鏡は基本的に位相差観察オンリーの単機能です。システム顕微鏡のように、明視野、暗視野、偏光、微分干渉など、「何にでも使える顕微鏡」ではありません。イポナの位相差顕微鏡は、これさえあればどんな観察にも使用できるといった種類の製品ではないのです。しかし、単機能であることが道具としての使いやすさ、お買い求めやすさにつながるとイポナは考えます。「位相差顕微鏡をもっと手軽に使用したい」というお客様の声に応える形でイポナの位相差顕微鏡シリーズは誕生しました。
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